綿や羊毛の細番手の単糸を使い平織に製織した薄地の織物です。
名称の起源は、メソポタミヤのチグリス川西岸の都市モスール(現イラク)で製織された薄地の綿布を、アラビア人がこの織物にモセリニ(mosselini)という名称で、各地に輸出しフランスに於いてモスリン(mousselin)と呼んだ事によると言われています。

後にモスリンは、羊毛、綿、レーヨン、アクリルと素材は多種に渡っていますが、日本では、モスリンと言えば、一般的に羊毛生地を表し、他の素材と区別するために本モスリン、メリンス、唐ちりめんなどと呼ばれることもあります。
(綿生地は、綿モスリン 絹生地は、シフォンと呼ばれます)
染色した無地モスリン、模様を染めた柄モスリンがあります。

もとは綿布ですが、日本には幕末〜明治初期に羊毛生地として伝わり、着物・帯・長襦袢など幅広く使われてきました。現在は東北地方を中心に限られた地域で、袢纏や、祭などでの用途で使われています。

羊毛ならではの弾力と、平織りのなめらかさを持つ毛斯綸(モスリン)は、絹のようにドレープ性に富み、身体によくなじみ、暖かく蒸れにくい素材です。また、発色性にも優れています。

メソポタミヤからヨーロッパ、そして日本に伝わり独自の発展を遂げた毛斯綸(モスリン)は、日本の財産とも言えるものなのです。

【参考引用文献】 
 「増補染織辞典」 日本織物新聞社
 「月刊染織α 2007年7月号」 染織と生活社
 「モスリンの歴史」  大東紡績